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高齢者の脱水症|家庭で作れる経口補水液

2024年7月28日

暑い夏に注意したいのが脱水症です。

脱水症は体内の水分が不足している状態です。食欲不振や倦怠感といった症状が現れ、悪化すると危険な熱中症を引き起こします。

今回の記事では、脱水症と熱中症を予防する方法や、状態によって適した飲料などをお伝えします。

先にレシピだけ知りたい方へーーーーー

家庭で作れる経口補水液レシピ

材料・分量

  • 水  1ℓ
  • 食塩 3g(小さじ1/2杯)
  • 砂糖 40g(大さじ4と1/2杯)
  • レモン果汁などの柑橘果汁(お好みで)

作り方

  • 水1ℓに砂糖40g、塩3gを混ぜて溶かす
  • お好みで柑橘系の果汁を加えると、すっきりとした味わいになります

熱中症予防は脱水対策から

脱水症は体内の水分が不足することで起こります。これは水分摂取不足や過度な発汗、下痢などが原因となることが多いです。

熱中症は高温多湿な環境で体温調節機能がうまくいかず、体内に熱がこもった状態です。

脱水は熱中症の原因になる

私たちの体は常に適切な体温になるように、汗などで熱を体外に逃し、体温を下げようとします。しかし、大量の汗をかいたときに何もしないと、体に必要な水や塩分が足りなくなり、脱水症になります。
この脱水状態が熱中症を引き起こす原因の一つなのです。

熱中症の危険度

熱中症の症状は三段階に分けて悪化していきます。
最初にめまい、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉のこむら返りなどの症状が現れます。
悪化すると頭痛や嘔吐、倦怠感などが現れ、さらに重症になると意識障害や全身がけいれんを起こし、高体温になることから臓器に影響を及ぼします。

熱中症の第一段階はめまい、立ちくらみ、生あくび、筋肉痛、大量の発汗、筋肉のこむら返り。第二段階は倦怠感、頭痛、嘔吐、集中力低下、判断力低下、虚脱感。第三段階が意識障害、全身のけいれん、高体温。

高齢者ほど脱水には注意が必要

熱中症患者の約半数が65歳以上の高齢者です。高齢者は体内に蓄積できる水分量が減少しているため、常に脱水症を起こしやすい状態です。さらに感覚機能の低下により、喉の渇きや暑さを感じにくいため、必要以上に注意をしていかなければなりません。

熱中症にならないように常に水分摂取を意識し、脱水症を予防していきましょう。

高齢者に必要な1日の水分量は1,500ml以上

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脱水症対策に最適な飲み物は何?

脱水症対策の飲み物と考えたとき、どんなものを思い浮かべるでしょうか。
水、麦茶、スポーツドリンク、最近では経口補水液という飲み物もドラッグストアなどで見かけます。

それぞれの特徴やメリットを見ていきましょう。

無味無臭で味を感じることのない水は、水道の蛇口をひねれば手軽に飲むことができます。
水は常温であると体に吸収されやすいといわれています。冷水になると消化管へ負担がかかるため、体を気遣うのであれば、可能な範囲で常温か暖かい飲み物が良いでしょう。

麦茶

夏の飲み物と言えば麦茶が定番です。
麦茶は体の熱を冷ます効果が期待でき、ミネラルも多く含まれるため夏にぴったりな飲料と言えます。

麦茶の香ばしい香り成分は「アルキルピラジン類」といい、血流を促進する働きがあります。
その他、胃の粘膜を保護する作用やポリフェノールも含むため、抗酸化作用も期待できます。

水や麦茶は日常生活で喉が渇いたときなど、日常的な水分補給としておすすめできる飲料です。

  • ただし、大量の汗をかいたときには、水分とともにナトリウムなどの電解質も失われるため、水や麦茶では十分に補うことができません。

スポーツドリンク

スポーツドリンクは水分やミネラルビタミンなどが含まれるため、喉が渇いたときや汗をかいたとき、運動前後、入浴後、熱中症・脱水症の予防など、こまめな水分補給に適しています。

しかし、水分をより早く吸収できるようにするため、糖分の高いスポーツドリンクが一般的です。飲みすぎは糖分の過剰摂取につながるため、注意が必要です。

スポーツドリンクにはスティックシュガー10本分の糖分がふくまれるものもある

経口補水液

経口補水液はORS(Oral Rehydration Solution)とも言われ、ナトリウムやカリウムなどの電解質(塩分)と糖分(主にブドウ糖)が一定の割合で配合された飲料です。「飲む点滴」とも言われ、体内への吸収が速いため、熱中症や脱水症の場面で多く活用されています。
※スポーツドリンクに比べ糖分が少なく、塩分が多くなっています。

経口補水液はドラッグストアでよく売られており、ゼリー状になったものもあります。熱中症や脱水症だけでなく、下痢・嘔吐・発熱時にも適した飲料なので、ストックしておくと安心です。

注意

  • 医師からナトリウムやカリウムの制限を指示されている場合は、必ず医師と相談して、指示を受けてください。
  • 脱水状態に適した飲み物なので、普段の水分補給として飲むものではありません。
  • ナトリウムやカリウム以外に糖質も含まれているので、医師から糖質制限の指示がある場合も注意が必要です。

経口補水液は手作りできる

手作りの経口補水液は衛生面の観点から、1~2日以内に飲むようにしましょう。

家庭で作れる経口補水液レシピ

材料・分量

  • 水  1ℓ
  • 食塩 3g(小さじ1/2杯)
  • 砂糖 40g(大さじ4と1/2杯)
  • レモン果汁などの柑橘果汁(お好みで)

作り方

  • 水1ℓに砂糖40g、塩3gを混ぜて溶かす
  • お好みで柑橘系の果汁を加えると、すっきりとした味わいになります

まとめ

特に認知症の方は脱水症状を起こすと落ち着きがなくなり(周辺症状が悪化)、本人も家族もつらい状況となります。
高齢者は1日に1,500ml程度の水分摂取が必要ですが、真夏はそれ以上の水分を日々欠かさずに摂るように意識しましょう。

夏場だけでなく、冬の乾燥した中で暖房を使う場合も脱水を起こしやすくなるので、注意してください。
毎日の水分が十分摂れていると、安定した体調を維持することができます。

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