介護保険制度 気持ちのバランス

介護で自分の時間がない|それでも飲み会に行く方法

介護に追われる日々が続くと、自由な時間を持つことが難しくなりがちです。しかし、そんな状況だからこそ、時にはリフレッシュする時間も必要です。

友人との飲み会や職場の同僚との食事会に、「行きたいけど無理かも…」とためらっていませんか?介護の負担を軽減しながら、楽しい時間を過ごす方法を知れば心の余裕が生まれ、日々の介護にも前向きな気持ちを持ちやすくなります。

この記事では、介護をしながらでも安心して飲み会に参加するための工夫やサービスの活用法を紹介します。無理なく介護と自分の時間を両立させ、気兼ねなく楽しい時間を過ごすためのヒントを見つけていきましょう。

会社の同僚や友人と過ごせないことで孤立する

介護を優先する生活では、これまで当たり前だった人付き合いが難しくなり、気づけば周囲との距離を感じることもあります。仕事仲間や友人との時間が減ることで人とのつながりが薄れ、孤立してしまうケースも少なくありません。ここでは、介護による孤立がもたらす影響と、具体的な事例について見ていきます。

疎外感を感じる

他の人が自由に楽しんでいる中、自分だけが制約の多い生活を送っていると、疎外感を感じることがあります。友人や同僚の誘いを何度も断るうちに、気まずさを感じる場合もあるでしょう。

Aさんは、仕事と介護を両立しながら忙しい毎日を過ごしています。両親と同居しており、母親の認知症のケアや父親の介助を担うため、自由な時間はほとんどありません。
ある日、職場の同僚から飲み会に誘われましたが、介護の都合でまた断らざるを得ませんでした。何度も誘いを断るうちに、次第に誘われること自体が減り、周囲との距離が広がっていくのを感じています。

嫉妬心を抱いてしまう

他の人が楽しんでいる様子を見ると、嫉妬心が芽生えることもあります。「自分にはこんな時間がない」という感情がストレスを増幅させてしまうことも。

Bさんは、仕事と介護の両立に奮闘しながら、毎日忙しく過ごしています。休日も親の介護に時間を取られ、自分の時間はほとんどありません。
ある日、SNSを開くと、友人たちが楽しそうに飲み会や旅行を満喫している様子が目に飛び込んできました。自由に過ごしている彼らと比べると、自分は介護に追われてばかりで、リフレッシュする余裕がありません。「なんで自分だけ…」という思いが胸に広がり、モヤモヤとした気持ちが募ります。

人との接点がなくなる

介護や子育てに忙しい日々が続くと、人と会う機会が減り、相談できる相手も少なくなりがちです。気づけば悩みを一人で抱え込むことが増え、孤立を感じることもあります。

Cさんは、子育てと母親の介護に追われ、友人との交流が減っていました。毎日忙しく過ごす中で、育児や介護の悩みを話せる相手もいなくなり、不安を抱え込むようになります。
分からないことがあっても頼れる人がいないため、一人で悩み続ける日々。次第に外出の機会も減り、気づけば塞ぎ込むことが増えていきました。

将来に希望が持てなくなる

介護に追われる日々が続くと、「この生活がいつまで続くのだろう」と不安を抱え、将来に希望を持ちづらくなることがあります。

Dさんは、親の介護を優先せざるを得ない状況が続き、恋人との関係にも影響が出ていました。さらに、仕事との両立で毎日が忙しく、デートの約束を何度も延期。次第に「この関係を続けられるのだろうか」と、不安を感じるようになっていきました。

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介護しながら飲み会に行く方法

介護を続ける中で、「飲み会に行きたいけれど、どうしても難しい」と感じることは少なくありません。しかし、少し工夫をすることで、介護をしながらでも安心して外出し、リフレッシュする時間を確保することが可能です。大切なのは、無理をせず、自分に合った方法で時間を作ること。ここでは、介護をしながら飲み会に参加するための具体的な方法をご紹介します。

介護保険サービスを利用する

介護をしながら飲み会や食事会に行くためには、地域の介護保険サービスを活用することが有効です。利用したいサービスは訪問介護、小規模多機能型居宅介護、ショートステイで、それぞれの特性を活かして、介護を受ける方が安心して過ごせる時間を作ることができます。

【訪問介護】
ヘルパーが自宅に訪問し、入浴介助や食事の準備などを支援してくれます。サービスを延長し自費のサポートを依頼することで、安心して外出する時間をつくることが可能です。

ー具体的な利用例ー
Aさんは、どうしても参加したい飲み会があり、ケアマネジャーに相談して訪問介護を利用することにしました。両親の食事から就寝までのケアを依頼し、安心して外出できる環境を整えました。
Aさんは23時過ぎに帰宅。両親はぐっすり眠っており、久しぶりに気兼ねなく飲み会を楽しむことができました。

【小規模多機能型居宅介護】
小規模多機能型居宅介護は、訪問・通い・宿泊のサービスを組み合わせて利用できる柔軟な介護保険サービスです。普段は通いや訪問のサービスを活用しながら、必要に応じて宿泊もできるため、介護者の予定に応じて利用することが可能です。

ー具体的な利用例ー
Bさんは、仕事と介護の両立に追われる毎日を過ごしていました。ある日、ふとSNSを開くと、友人たちが楽しそうに過ごしている様子が目に入り、気持ちが一気に落ち込んでしまいました。「自分も少し気分転換がしたい」と思い、ケアマネジャーに相談し、小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスを利用することにしました。普段から通いのサービスを利用している施設だったため、親も安心して過ごすことができる環境が整っていました。Bさんは不安なく飲み会に参加でき、久しぶりに気軽な会話を楽しむことができました。

【ショートステイ】
数時間から数日間、施設で介護を受けられるため、その間に自分の時間を確保することができます。計画的に予約を入れることで、趣味やリフレッシュの時間を持つことができたり、仕事や家事に集中しやすくなったりします。

ー具体的な利用例ー
育児や介護の悩みを相談できる相手がおらず、不安抱えていたCさんは、久しぶりにママ友から食事の誘いを受けました。最初は「介護があるから難しいかも…」と断ろうとしましたが、ケアマネジャーからショートステイの利用を勧められていることを思い出しました。
予約した日程で予定通り母親はショートステイ先の施設へ行き、Cさんは気兼ねなく子供と一緒に食事を満喫。久しぶりの会話に笑顔が戻り、人とのつながりの大切さを再認識しました。

介護保険サービスは高齢者の介護だけでなく、家族の負担を軽減するためにも活用できます。ケアマネジャーに相談し、自分の生活に合った利用方法を見つけましょう。負担を減らしながら、社会とのつながりを保つ工夫が大切です。

自費サービスを利用する

介護保険外の自費サービスを活用することで、一時的に金銭的な負担は増えるものの、自分の時間を確保する選択肢が広がります。さらに、介護保険サービスと併用することで、介護者の負担を軽減しながら、より柔軟な支援を受けることが可能になります。

ー具体的な利用例ー
Dさんは、親の介護と仕事、恋愛の両立に悩みながら日々を過ごしていました。そこで、恋人と過ごす時間を確保するため、介護保険の訪問介護と自費サービスを組み合わせて利用することを決意しました。
ケアマネジャーに相談し、介護保険の訪問介護サービスで親の食事や入浴をサポートしてもらい、さらに、自費サービスで追加の介護を依頼し、夜の時間帯も安心できる体制を整えました。
その結果、Dさんは久しぶりに恋人とゆっくり過ごす時間を持つことができました。今後も定期的にこのような時間が取れるようにしていくつもりです。

早めに飲み会の計画を立てる

飲み会や食事会などは可能な限り早めに日程を決めてもらうことで、介護のスケジュールを調整しやすくなります。介護サービスの予約や家族との相談が必要な場合、急な予定では対応が難しいこともありますが、事前に分かっていれば準備がスムーズになります。

自分が楽しめる範囲を考える

限られた時間しか取れない場合は、その時間を思い切り楽しむことが大切です。「ここまでの時間はしっかり満喫しよう」と意識することで、充実したひとときを過ごせます。

時間を気にせず楽しみたい場合は、宿泊が利用できる介護サービスや自費サービスを導入することも検討しましょう。事前に介護サービスを予約したり、家族と協力して準備を進めることで、安心して楽しめる状況を作ることができます。多少手間や費用はかかりますが、自分の時間を確保するための工夫が、心の余裕にもつながります。

介護による孤立と心の負担を避けるために

介護を続ける上で大切なのは、「自分を優先する勇気」を持つことです。介護はどうしても相手を優先しがちですが、無理を続けると心身に負担がかかり、長く続けることが難しくなることもあります。「少し休んでもいい」「楽しむ時間を持ってもいい」と思うことで気持ちに余裕が生まれ、結果的に良いケアにつながります。

介護が始まると、これまでの人付き合いが変化し、疎外感や孤独を感じることもあります。飲み会や食事会に参加しにくくなったり、友人との会話についていけなくなることで、「自分だけが別の世界にいるようだ」と感じることもあるでしょう。

しかし、こうした気持ちは介護という大きな役割を担っているからこそ生まれるものです。決してあなたのせいではありません。介護と向き合いながらも、自分自身を大切にし、限られた時間の中で少しでも自分のための時間を確保しましょう。社会とのつながりを維持することで、孤独感を軽減し、心に余裕を持つことができます。

介護を頑張るあなたこそ、気兼ねなく楽しむ時間を持つべきなのです。

まとめ

介護に追われる毎日でも、人とのつながりや楽しい時間を諦める必要はありません。サービスを活用し、計画を工夫し、自分を優先する勇気を持つことで、介護生活に息抜きの時間を取り入れることが可能です。少しの工夫が、あなたの心と体を豊かにし、介護との両立を支える力になります。

介護と恋愛・結婚に悩む方必見!

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