介護をもっと楽にする

在宅介護は自分主導でコントロール|介護をデザインする

2024年4月8日

  • 介護は家族がするべきなの?
  • 介護は家族だけで何とかなるの?
  • 「介護は家族がするのが当たり前」だから他人に頼むのはいけないと思う

家族だけで介護をすることは難しい時代になりました。「家族だから介護するのは当然」なんて考えは過去の話。介護は適切にプロに任せ、家族は必要最低限なことだけを行うようにするのが「今どきの介護」です。

今回は「介護をデザイン」をキーワードに、仕事も介護もそれ以外も、欲張りに生きられるヒントをお届けします。

この記事でわかること

  • 介護は家族だけではやり切れない現実がわかる
  • 介護保険サービスを利用するタイミングが理解できる
  • 介護者自身で「介護をデザイン」する考え方が持てる

「介護をデザイン」とは

よく、「人生設計・ライフプラン」という言葉を聞きますが、介護も同じように「介護を含めた自分自身の生活」を設計・組み立て・計画する発想が大切になります。

介護のある生活を自分でデザイン(計画)できるようになると、振り回されることがなくなります。介護を自分でコントロールする意識を持ち、体制を整えていきましょう。

家族だけで介護をするのは無理な時代に

介護をデザインする前に押さえておきたい前提があります。それは、約50年前と現代とでは家族の背景が全く違うということです。

1970年頃は約10人が1人の高齢者を支えていました。しかし、2020年には約2人が1人の高齢者を支える人口構造に変化しています。

支える側が激減している!

masako
masako
tefutefu
tefutefu

こんな時代に「家族の力」で介護を乗り切るのは、かなり難易度が高いことだよ。

介護は家族だけではどうにもならないと、最初から割り切ってスタートすることが大切です。

介護のある生活をデザインしていこう

仕事や子育て・趣味活動などで多忙な日々であれば、その中から介護の時間を捻出しなければなりません。かといって、何かを諦めたり我慢したりするのはストレスをため込む原因となってしまいます。

介護が始まったら(介護が始まる前でも)自分自身を主体にして介護生活をどうデザインするかを考えてみましょう。

介護をデザインするコツ① 介護保険サービスの利用は必須

2000年からスタートした介護保険は、高齢者を支える現役世代が減少していく未来を見込んで創設されました。何度も法改正を繰り返し、サービスの種類が増え、介護を必要とする高齢者を支えるために欠かせない制度となりました。

介護保険料も45歳から払っているし・・・サービスは積極的に使った方がいいわよね!

masako
masako
tefutefu
tefutefu

そうだね、介護が必要となれば早い段階で介護保険サービスを導入していくといいよ!

介護保険サービスの利用を先延ばしにしてしまうと、その間に体力や認知機能が低下する可能性が高まります。そうなると回復に時間がかかる、あるいは回復が困難になることも想定されます。

軽度の介護段階から介護保険サービスを利用することで、高齢者自身が元気でいられる期間が長くなると考えられます。また、介護を必要としない状態を保つためにも、介護予防サービスの利用がおすすめです。

介護予防サービスは高齢者が自立した生活の維持・向上ができるように、2006年に新設されました。

適切なタイミングで介護保険(介護予防)サービスを導入し、効果的に使えるようにしていきましょう。

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介護をデザインするコツ② 家族介護は最低限の負担を目指す

介護にはどうしても家族が対応しなければならない場面があります。例えば「医師から病状を聞く」や「お金に関する手続き」は家族でなければできないケースが多いため、介護が必要な高齢者にとっても重要なことは身内に行ってもらいたいと思うかもしれません。

まずは、家族にしかできないことを絞り込んでみましょう。

同時に、自分ができる範囲も見極めましょう。介護が重度化してくると排せつや入浴などの介助が必要となる場合があります。自分自身がどこまでの介護ならできるのか受け入れられるのかを考えてみてください。

介護者自身に持病がある、力がない、腰痛や膝の痛みがあるなど、健康面や体力に不安がある場合は「無理はしない」ことを介護関係者に伝えておくことも必要です。

介護を支援してくれるのは介護保険サービスだけではありません。自治体独自のサービスや民間の自費サービスもあるので、上手に組み合わせて利用すると、家族の負担はかなり軽減されます。

介護をデザインするコツ③ 介護者が休む時間も確保しよう

例えば、介護保険サービスは以下のような使い方も可能です。

  • 土日に営業しているデイサービスがある場合、介護者自身が休むために利用する
  • 月に3~5日間、宿泊型のショートステイを利用して自分の自由時間を作る

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  • デイサービスとは、日帰りで施設に通う介護保険サービスであり、車での送迎や機能訓練・入浴・食事・レクリエーションなどのサービスを提供しています。
  • ショートステイとは最短1日から施設に宿泊でき、日常生活に必要な介護が受けられるサービスです。

つまり、介護を休むために介護保険サービスを利用するのです。これはレスパイトケアと言って、家族支援の一つとして位置づけられています。

でも、親を施設に預けて自分が遊びに行くのは、ちょっと気が引ける・・・

masako
masako
tefutefu
tefutefu

その気持ち、わかるよ。

介護が必要な高齢者がショートステイを嫌がったり、不満を感じると、レスパイトケアに罪悪感を感じてしまいます。しかし、休息をとらなければ疲労し、ストレスをぶつけてしまうかもしれません。

定期的にリフレッシュして、快適に介護ができるように自己管理することも、介護のデザインにおいて重要な要素となります。

介護をデザインするコツ④ 介護保険外サービスを活用する

自己負担で利用できる民間のサービスも上手に組み合わせて活用しましょう。ネット通販や日常の家事を楽にする機器、代行サービスなどです。特に調理においては、冷凍食品やカット野菜など時間短縮に活用できる商品が多く存在します。

  • 週3回、夕食は冷凍弁当や配食サービスを利用する
  • 自費でヘルパーを週に2回利用し、料理の作り置きをしてもらう
  • シーツなどの大型洗濯物は業者に依頼する
  • 見守り機器を使用する(家族複数人が携帯やタブレットで見守る機器もある)
  • オムツなどの大型商品はネット通販を利用する

実際の介護者は、自身が楽になるためのサービスを利用する視点をあまり持っていません。少し費用はかかりますが、自身を優先して心の余裕を作るために、身の回りで活用できる自己負担型のサービスを利用していきましょう。

まとめ:自分で介護をデザイン(計画)する考えを持とう

働きながら介護している、あるいは子育と重なったWケアなどは、気持ちや時間に余裕がないとストレスを抱えやすくなります。生活をコントロールできなくなり、限られた時間を削って介護をすると、自分自身が崩壊しかねません。

介護は高齢者を中心に物事を考えがちですが、自分の生活は別だという認識を常に持つよう心がけましょう。

効率よく、無理なく、最小限のストレスで介護が続けられるよう、介護生活のデザイン力を身につけましょう。

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