気持ちのバランス

親の介護は義務ですか?|親孝行で苦しまない方法

2024年4月3日

こんな悩みはありませんか

  • 介護は親孝行?絶対に子供がしなければいけないの?
  • 親孝行のつもりで介護しているけれど、とてもつらい。
  • 介護が大変で親に優しくできない、どうすればいいの?

「介護は親孝行」と思っている、あるいは親戚や職場からそう言われた方、それは親孝行の呪いかもしれません。

家族介護に必要なのは適切な距離感と過度な負担を抱え込まないことです。今回は「介護と親孝行」の考え方について深掘りしていきます。

この記事でわかること

  • 「介護で親孝行」をしなくてもいい理由
  • 介護の距離感と自分の限界を知る
  • 自分にとって良い親孝行の方法を知る

介護で親孝行しちゃいけない理由3つ

「介護は親孝行だ」って聞くと、エライなぁ、育ててもらった恩返しだからと、妙に納得しちゃいませんか?

当たり前のように感じるし、間違っていないと思う。

masako
masako
tefutefu
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そうだね、間違いではないよ。でも、ちょっと見方を変えてみよう。

親孝行のつもりで介護に専念してしまうと、負担が大きすぎてあっという間に限界に達してしまいます。

現代の社会背景を踏まえつつ、なぜ介護で親孝行をしない方が良いのかを説明していきます。

介護で親孝行が難しい理由① 今と昔、支える側の違い

約50年前の1970年代には、65歳以上の高齢者1人を約10人の現役世代が支えていました。それが今では約2人で1人の高齢者を支える人口構造に変化しています。

出典:令和5年版高齢社会白書「高齢化の推移と将来推計」(内閣府)

50年ほど前は・・・

  • 介護は家族がやるべき
  • 介護が必要になったら同居する
  • 施設に入居させるのは見捨てること
  • 介護は育ててもらった恩返し
  • 介護は親孝行だ

多くの家族が支えていたため、このような考えでも家族介護は何とか成り立っていました。

しかし、この考えを現代の介護に当てはめると、どうなるでしょうか。

例えば、一人っ子同士が結婚し、4人の親の介護が同時に始まったらどうなるか想像してみてください。

将来を心配する封す

支える側が減っている今、「介護は親孝行だ」という考え方は時代にマッチしていないと思いませんか?少ない家族で介護を行うのは、かなり厳しい状況になっているのです。

介護で親孝行が難しい理由② 働く人が増えている

性別を問わず社会進出が進み、誰もが仕事と介護を両立する可能性が高まっています。ビジネスケアラー(仕事と介護の両立者)は、2030年に318万人まで増加すると予測されています。

介護家族者は2020年678万人に対し2025年は795万人、2030年は833人になると推計されている。ビジネスケアラーは2020年262万人に対し2025年、2030年には300万人を超えると推計されている。介護離職者は約10万人でほぼ横ばいに推移すると推計されている。

出典:介護政策 「家族介護者・ビジネスケアラー・介護離職者の人数の推移」(経済産業省)

介護が原因で仕事に支障をきたす人や、退職を余儀なくされる人が増えてしまうことで、経済的損失は9兆円を超えると推計されています。

実際に介護のために仕事を辞めざるを得ない「介護離職者」は年間約10万人で推移しています。

介護を担う子供世代は働いている人が多いため、「介護で親孝行」するには時間も余裕もない状況なのです。

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介護で親孝行が難しい理由③ 家族介護は感情のコントロールが難しい

例えば親が認知症になり、夏季のような状況にあなたは耐えられるでしょうか。

  • 何度も同じ質問をしつこく繰り返す
  • 仕事で疲れているのに、夜中に起こされて財布がないと騒がれる
  • 理解できない理由で怒りをぶつけられ、暴言を吐かれる
  • 一人で外出し、家に戻れず警察に保護されることを繰り返す
  • トイレの場所が分からず、衣類を汚すことが増える

私だったら、ちょっときついなぁ・・・

masako
masako
tefutefu
tefutefu

特に認知症は目が離せない状況になりやすく、精神的な負担が大きくなりやすいんだ。

親に対して「なぜわからないの?」「なぜこんなことができないの?」ときつい言葉を返してしまうことがあるかもしれません。決して親が嫌いになったわけではなく、親子だからこそ感情を抑えることが難しくなってしまうのです。

親も自尊心が傷つくことから次第に子供に当たるようになり、感情的な言い争いが生じやすくなります。遠慮しなくても良いのが家族ですが、その分、感情のコントロールもできなくなってきます。

座る高齢者

今どきの介護は「親孝行」をこうする

家族介護に無理がある今、「介護は親孝行」という思いから介護をしすぎないようにしましょう。

じゃぁ、親孝行はどう示せばいいの?

masako
masako
tefutefu
tefutefu

介護の考え方を、今の時代に合わせてアップデートすればいいんだよ。

今の時代はこう考える介護の考え方をアップデート

約50年前の考え方を、今の時代にマッチするように変えていこう。

  • 介護は家族がやるべき → 介護はプロに任せよう
  • 介護が必要になったら同居する → 無理に同居はせず、遠距離介護を続ける
  • 施設に入居させるのは見捨てること → 施設は介護のプロ集団
  • 介護は育ててもらった恩返し → 育ててもらった恩返しは愛情で
  • 介護は親孝行だ! → 親孝行は愛情で返していこう

介護は介護保険サービスなどを利用して、プロに頼ると良いでしょう。そうすることで、高齢者自身の活動性が向上し、自立度を向上させる可能性が高まります。

余裕のある介護が正義元気な自分の姿を見せていくのが親孝行に

自分の限界を見極めましょう。どこまで介護が担えるのか、どの程度の時間が確保できるのかを決めておくと、介護に関わりやすくなります。

手を握る親子

介護には、どうしても家族でなければ行えないことがあります。例えば、一緒に通院して医師の話を聞いたり、介護保険サービスの手続きや相談などは家族の役割となります。高齢であれば、急な入院や転倒などのトラブルも起こり得ます。そのような事態も考慮して、「自分自身が余裕を持って介護をするためにはどうすれば良いか」を考えておく必要があります。

tefutefu
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大切なのは介護をやりすぎない、ほどよい距離感を保つこと

なるほど!

masako
masako

介護で疲弊する姿ではなく、「元気に頑張っているよ!」という姿を見せていくのが、今の時代の親孝行です。時折一緒に食事をしたり散歩に出かけたりと、共有する時間を大切にしていくのもおすすめです。

介護はプロに任せ、自分自身は時間や気持ちに余裕を持つようにしていくと、良い親子関係を維持できます。

まとめ

今の時代に「介護は親孝行」という考え方はミスマッチで、その呪いに取りつかれないようにしましょう。自身と親の人生は別と認識し、介護負担を適切な範囲に抑えることが大切です。

介護はできる範囲で行い、できない部分は介護保険サービスなどを活用してコントロールしていきましょう。

自分自身の時間や生活を充実させた上で、介護を含む親への接し方を考えることが、親孝行につながると言えるでしょう。

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